芸艸堂 店主の日記

明治24年京都にて創業、 現在日本で唯一の 手摺木版和装本の 出版社「芸艸堂(うんそうどう)」の 4代目当主が芸艸堂の木版にまつわる話、 旬の情報をお届けします。

5月の展覧会情報その2

こんにちは、芸艸堂(うんそうどう)です。

京都のお隣、大阪は大阪駅に「大阪ステーションシティ」がオープンしたり、
百貨店の増築やリニューアル、三越伊勢丹の新規出店など活況です。

そんな大阪で芸艸堂の商品を取り扱っていただいているお店をご紹介します。

FUTABA+心斎橋

大阪心斎橋筋の大丸心斎橋店北館12階にFUTABA+心斎橋さんがあります。
本屋さんといえば、店の入り口から奥まで本棚がずらりというイメージですが、ここのお店は少し違います。
エスカレーターを上ると雑貨やステーショナリーのフロアが目に飛び込んできます。
その奥に書籍フロアがあります。
面白いのは雑貨フロアの様々なところに本が散りばめられているところです。
置いてある本も普通に本棚に入っていたら見過ごしてしまいそうな本ばかりです。
和雑貨フロアの浮世絵関連コーナーには芸艸堂の豆本とシールが、さらに奈良関連コーナーには
クリアファイルが(この絵柄は「春日野」です。)といったように店内を見て回るのが楽しくなるお店です。
ネットショッピングもいいですが、休日にゆっくりと大丸心斎橋店でお買い物をされるのもいいかも。
新しい発見があるはずです。

FUTABA+1.jpg
FUTABA+2.jpg
FUTABA+3.jpg

FUTABA+心斎橋
〒542-8501 大阪府大阪市中央区心斎橋筋1−7−1 大丸心斎橋店北館12F


リーチ・アート
大阪梅田の阪急古書の街に美術古書とギャラリーのお店リーチ・アートさんがあります。
お店に入ると棚にぎっしりと詰まった美術書や展覧会図録、更に古い絵葉書など珍しい逸品がずらりと
並んでいます。更に右奥のギャラリーでは様々な骨董や工芸品が展示され、静かな雰囲気の中でゆっくり
とアートを楽しめるお店です。
現在、店舗正面のショーケースでは「豆本フェア」が開催中、貴重な古書の豆本に並んで芸艸堂の豆本
加えていただきました!!
賑やかな地域にぽっかりと出来た静かな空間が阪急古書の街です。
ゆったりと時間を経てきた古書の世界を1度覗いてみてはいかがでしょう?

リーチ・アート
〒530-0012
大阪市北区芝田1-6-2
阪急古書のまち
TEL 06-6373-1117
FAX 06-6373-0476
営業時間11:00~20:00
定休日毎週水曜日


5月の展覧会情報

こんにちは、芸艸堂(うんそうどう)です。
5月の展覧会・美術館情報をお知らせします。

「浮世絵猫づくし にゃんとも猫だらけ」展
奥田元宋・小由女美術館
5月20日(金)~7月3日(日)


現在開催中の「琳派若冲と雅の世界展」のあと開催される
「浮世絵猫づくし にゃんとも猫だらけ展」の紹介を
させていただきます。なんともかわいらしいタイトルです。
歌川国芳を中心に猫を題材にした浮世絵がこれでもかと
展開されます。猫好きの方にはなんとも喜ばしい展覧会です。
そうでない方にとっても江戸時代の風俗と浮世絵の技術のすば
らしさを十分に感じていただける楽しい展覧会です。
ミュージアムショップにて芸艸堂の猫のクリアファイルはがき
など猫グッズを取り扱っていただいております。
ぜひそちらもご覧くださいませ。

奥田元宋・小由女美術館
広島県三次市東酒屋町453-6
TEL:0824-65-0010
開館時間 9:30 ~ 17:00 
休館日:毎月第2水曜日 


高岡市美術館ミュージアムショップ

富山県高岡市は金属工芸や漆芸の盛んな工芸の町です。
その高岡市にある高岡市美術館は美術工芸、金属造形を
中核とした特色ある常設展示と企画展を開催されています。
こちらのミュージアムショップに芸艸堂の木版画
絵はがきクリアファイル等のグッズ、書籍など多くの商品
を取り扱っていただいております。なかなか京都まではという
方はぜひこちらに足をお運びくださいませ。

芸艸堂以外にも数多くの商品が所狭しと並び楽しくお買い物を
していただけると思います。観光で富山方面にお越しの方も
ぜひお立ち寄りくださいませ。

高岡市美術館
富山県高岡市中川1丁目1番30号
TEL:0766-20-1177
開館時間:午前9時半~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:毎週月曜日

ミュージアムショップは地下1階にあります。

若冲ミラクルワールド


こんにちは、芸艸堂(うんそうどう)です。

2011年4月25日よりNHK BSプレミアム スペシャル番組「若冲ミラクルワールド」
が4夜連続で放送されます。

人気グループ嵐の大野智さんがナビゲーターをされるとあって、多くのメディア、ブログに
紹介記事が載っていますが、芸艸堂からもご紹介。

NHKが有するスーパーハイビジョンなど最先端の機器を使い、若冲が残した傑作の数々を詳細に分析し、
驚異のテクニックの秘密を科学的に明らかにしていくそうです。

4夜にわたって若冲の魅力の全貌を明らかにする内容は
4月25日(月) 午後9:00~10:30 色と光の魔術師~“奇跡の黄金”の秘密に迫る~
4月26日(火) 午後9:00~10:30 カタチに命を吹き込む~細密表現と視覚のトリック~ 
4月27日(水) 午後9:00~10:30 “国際人”JAKUCHU~千年先を見つめた絵師~
4月28日(木) 午後8:00~9:30  黒の革命~水墨画の挑戦者~

28日放送の「黒の革命」では、若冲が黒の世界へのこだわりから手がけた技法の1つ、
拓版画が紹介されます。


拓版とは、絵具を置いた版木に紙を載せ、摺り込むのではなく、タンポで叩くようにして
紙に墨を載せ画を浮き上がらせる。白と黒のメリハリのはっきりした画面
に強い凸凹がつき、他の版画にはない立体感を感じさせます。
若冲は、この拓版技法で摺った版本を数点遺しています。
その中の1つ「玄圃瑤華(ゲンポヨウカ)」は、若冲53歳の時の作品で、極端に折り曲げられ、
デフォルメされた草花に虫類を配した構図は、肉筆作品に見られる若冲絵画のエッセンス
が凝縮された作品です。

今回、芸艸堂が明治40年頃に刊行した「玄圃瑤華(ゲンポヨウカ)」の元版木を用い、
現代の摺師が絶えていた拓版摺りの技法を工夫を重ね再現した様子が紹介されます。


a8c8d3e2.jpg
ハイビジョンを使った撮影風景

コピー ~ 玄3-A ヒツジクサ

↑明治40年頃に刊行した若冲画帖「玄圃瑤華(ゲンポヨウカ)」の元版木。6柄が横一列に彫られています。

■明和5年(1768年)に若冲自身によって作られた拓版画「玄圃瑤華(ゲンポヨウカ)」と「素絢帖(ソケンチョウ」)
 を芸艸堂は上下2冊本として編集。同じ技法で「若冲画帖」として出版しました。

04400b7f.jpgea6dbf04.jpg


画面左が明治刊行版 右が昭和刊行版(芸艸堂発行)(↑明治版は深い黒で摺り上げられていますが昭和版は薄い)

芸艸堂の「玄圃瑤華(ゲンポヨウカ)」は明治~昭和にかけて発行していましたが、写真のように、墨が昭和版では
薄くなっています。当時から深い黒を表現する事は難しく発行部数は限られた希少本でした。

当時の「黒」を再現するため、何度も摺り直しを重ねた摺師さんの様子が紹介されます。

083d802d.jpgcf8d9c97.jpg

麩糊を溶いた水を版木に引き、紙を載せ刷毛でならす。版木と紙の間の気泡を紙が破れないようにしながらブラシで叩いて
気泡を抜きます。濡れた紙が版木に固く密着したら、一日そのままの状態にします。

f9bd0518.jpg92d5fc38.jpg

墨を含ませたタンポを使い、紙が破れないように注意しながら叩きます。紙の水分が多すぎると墨が滲み拡散して
しまうので、生乾きになったところで、何度も上から叩いて完成します。
一枚摺り上がるのに、最短で2日かかります。

そして摺り上がった作品の1つがこちら
1fea0745.jpg


dfd563fc.jpg
 ←凹凸がつき立体感のある表面。

一見すると墨1色の単純な工程で出来上がりそうな拓版摺りですが、1ヶ月に数十枚しか完成できませんでした。
今回の再版工程を経て若冲の「黒の世界」へ少しでも近づけたのでしょうか?
本編をぜひ、ご覧になってください。
ギャラリー
  • 手仕事店 2F画廊で開催中
  • 手仕事店 2F画廊で開催中
  • 手仕事店 2F画廊で開催中
  • 広重「猫」の がま口
  • 広重「猫」の がま口
  • 広重「猫」の がま口
  • 加藤晃秀 木版画 新作「蒼月」完成
  • 加藤晃秀 木版画 新作「蒼月」完成
  • 加藤晃秀 木版画 新作「蒼月」完成