芸艸堂 店主の日記

明治24年京都にて創業、 現在日本で唯一の 手摺木版和装本の 出版社「芸艸堂(うんそうどう)」の 4代目当主が芸艸堂の木版にまつわる話、 旬の情報をお届けします。

明治24(1891)年、美術書出版社として京都で創業。
現在、日本唯一の手摺木版本を刊行する出版社です。
その木版摺、製本技術を活用して、明治~昭和初期にかけて刊行した多色摺り図案集のモチーフを
アレンジし、顔料を使った美しい発色、柔らかな和紙の手触りが特徴の木版商品や、文具、インテリア
などを制作しています。

「室生寺展」「子供展」「うるしの近代展」が仙台、大阪、京都で 

こんにちは、芸艸堂(うんそうどう)です。

7月開催の展覧会をお知らせします。

東日本大震災復興祈念特別展
奈良・国宝室生寺の仏たち 仙台市博物館
2014年7月4日(金)~8月24日(日)

室生寺の全面的な協力のもと、東日本大震災復興を祈念して実施されます。
優美な姿で知られる十一面観音菩薩立像や釈迦如来坐像(いずれも国宝、平安時代)をはじめ、
室生寺の主要な宝物が東北に初めてやって来ます。。 HPより

室生寺展

こども展 名画にみるこどもと画家の絆 大阪市立美術館
7月19日(土) ~10月13日(月)

パリ・オランジュリー美術館で開催された展覧会“Les enfants modèles”(「モデルとなった子どもたち」と
「模範的な子どもたち」のダブルネーミング)を日本向けに再構成したものです。。
子どもたちの目線を通じて作品に秘められたメッセージやエピソードを読み解くという、絵画の新しい
鑑賞方法を提案する画期的な展覧会です。HPより

子供展コピー

そして京都では
うるしの近代 京都、「工芸」前夜から 京都国立近代美術館
7月19日(土) ~8月24日(日)

まとまった形で紹介されることの少なかった京都の動向にスポットをあてて、近代の漆芸が紹介されます。
京塗(きょうぬり)を代表する塗師(ぬし)の木村表斎(きむらひょうさい)から近代工芸の革新に中心的な役割を
果たした浅井忠(あさいちゅう)と神坂雪佳(かみさかせっか)という二人の図案家など、京都の漆がどのように
近代を迎えたのかを一堂にご覧いただけます。HPより

芸艸堂からは雪佳の図案や「小美術」の資料が展示される事になりました。

漆の近代 のコピー


それぞれのミュージアムショップには芸艸堂の関連品も並んでおります。
こちらもぜひお立ち寄り下さいませ。

北斎とリヴィエール -二つの三十六景と北斎漫画-展が佐川美術館で始ります

こんにちは、芸艸堂(うんそうどう)

今週末から始まる展覧会のお知らせです。

北斎とリヴィエール
二つの三十六景と北斎漫画展 
佐川美術館
2014年7月12日(土) ~8月31日(日)

富士山を描いた浮世絵師として、世界でもっとも有名な北斎の代表作『冨嶽三十六景』と、
パリの浮世絵師と呼ばれた版画家アンリ・リヴィエールが描いた『エッフェル塔三十六景』。
日本とフランスのランドマークである「富士山」と「エッフェル塔」をモチーフに描かれた、
二つの『三十六景』を同時にご覧いただけるユニークな展覧会になります。HPより

さらに、にヨーロッパの印象派の画家たちに衝撃と大きな影響を与えた『北斎漫画』と、
芸艸堂からは幕末から現在まで伝承された『北斎漫画』の貴重な版木も特別公開される
事になりました。 世界の人々を魅了してきた北斎ワールドをぜひご覧ください。

北斎とリヴィエール表コピー
北斎とリヴィエール裏コピー

和綴じ豆本 20巻目達成! 月岡芳年 「一魁漫画」

こんにちは。芸艸堂(うんそうどう)です。

大好評!豆本最新刊が出来ました。

勇壮無双 怪力乱心 鬼神の画技も筆一本
一魁漫画 (いっかいまんが) 月岡芳年 YOSHITOSHI

【ISBN】 978-4-7538-0275-3
【著者】 月岡 芳年 著
【価格】 本体1,600円+税
【発行】 2014年6月10日
【仕様】 四色刷/B7変型判/(11.6×8.3㎝)/46頁/和綴じ・豆本
【分類】 絵画/デザイン/浮世絵・版画

一魁漫画


烏天狗・髭達磨、勇壮な武者絵から歴史画美人画など才気溢れる作品を生み出した奇才
激動の時代を筆一本で生き抜いた人気絵師、明治ジャーナリズムでも大活躍した
「最後の浮世絵師」月岡芳年若き日の傑作漫画集を和綴じ豆本で復刻!

この豆本シリーズ
京都の【経師(きょうじ)】という和本職人による1冊1冊手作りです。

ところで、豆本って何?和綴じ本って何?と疑問に思われる方も多いと思います。

豆本とはポケット版の本のこと。袖珍本とも言います。
昔の人は着物の袖の中に本を携えていました。

和綴じ本とは伝統的な日本式の製本法の一つ。
日本式と言っても、様々な様式があり、
紙が発明され、最初にできた書物の形態が巻物【巻子(かんす)】
それをたたみ折りしたお経のような【折本(おりほん)】
そして何枚もの紙を重ね糊付けしたり、糸で綴じた【冊子(そうし)】。
この冊子が【和本】とか【和綴じ】と呼ばれています。
この【和綴じ】には、綴じ方に特徴があります。
四つ穴を開けて糸でかがる【四つ目綴じ】や【康熙(こうき)綴じ】
【麻葉(あさのは)綴じ】、【亀甲(きっこう)綴じ】などがあります。
(因みに弊社の豆本シリーズは【四つ目綴じ】。)

っと、ここまでは手作り製本の説明でしたが、肝心の本書も職人技によって
美しく復刊できました。
原本となる「一魁漫画」は、大変稀少な本であり、汚れや紙を食べる「紙魚(しみ)」によって
鮮明ではない資料しか残っておりませんでした。
今回担当していただいた印刷会社のPD(プリントディレクター)さんが、汚れや欠損部分を
短期間で修正!デジタル技術ですが補正はPDさんの長年の技術によるものです。
短期間かつ予算内(これが重要)で仕上げていただきました。

一魁漫画オリジナル1

                          虫食いによって欠損した箇所を補修 ⇓
一魁漫画中身3

一魁漫画オリジナル2

一魁漫画中身4


手造りの製本技術とデジタル技術を使った補正技術により美しく甦った「一魁漫画」をぜひ
ぜひ書店などで見かけたら手にとってご覧下さい。
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