芸艸堂 店主の日記

明治24年京都にて創業、 現在日本で唯一の 手摺木版和装本の 出版社「芸艸堂(うんそうどう)」の 4代目当主が芸艸堂の木版にまつわる話、 旬の情報をお届けします。

2016/03

明治24(1891)年、美術書出版社として京都で創業。
現在、日本唯一の手摺木版本を刊行する出版社です。
その木版摺、製本技術を活用して、明治~昭和初期にかけて刊行した多色摺り図案集のモチーフを
アレンジし、顔料を使った美しい発色、柔らかな和紙の手触りが特徴の木版商品や、文具、インテリア
などを制作しています。

第144回 都をどり が始まります。

こんにちは、芸艸堂(うんそうどう)です。

今年で144回目となる京都祗園甲部歌舞練場 都をどりが明日から始まります。
芸艸堂は特設売り場に出展させていただいております。

桜も咲き始め、京都へ入洛される方も多くなってきました。
こちらの会場は事前予約が必要ですがぜひお立ち寄りくださいませ。

第144回 都をどり 
京都祗園甲部歌舞練場 
2016年4月1日(金) ~4月30日(土)

都をどり2016



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ウルトラマン誕生50周年を記念してウルトラマンと怪獣たちが木版画になりました。その2

こんにちは、芸艸堂(うんそうどう)です。

ウルトラマン生誕50周年にあたる2016年、ウルトラマンと怪獣達が木版画になって登場します。
芸艸堂はその制作を担当させていただきます。その2

ウルトラマン放送開始50年記念商品 浮世絵木版画 ウルトラマンシリーズ
怪獣百鬼夜行 ©円谷プロ

怪獣百鬼夜行 落款版 のコピー
ウルトラマンシリーズからチョイスした怪獣・異星人たちを妖怪に見立て、百鬼夜行絵になりました。
描かれているのは『バルタン星人』『ナース』『ガヴァドン』『ケムール人』『ヒッポリト星人』『モチロン』
『タッコング』『ノーバ』『メトロン星人』『エレキング』『ピグモン』。

原画はゴモラと同じく京都の絵師 冬奇氏に依頼
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木版画制作は絵師が原稿を描き、それを元に彫師が色ごとに版を彫わけ、
摺師がその版を使い原画の色使いを忠実に再現する昔ながらの分業制作です。

その構図の構想を版権者からお伺いし、原画制作を現在ではほとんど居られなくなった
京の町絵師として活躍中の深谷冬奇氏に依頼。

深谷冬奇
1975年神奈川県生まれ。
高校卒業後京都へ。
日本画を学んだ後、手描き友禅職人として15年間従事する。
そこで感じた日本の伝統文化、伝統美と精神性、守り伝えるべき普遍性を探求しながら
自身の絵を現代生活にふさわしい形に進化させ、国内外、衣食住すべてのジャンルに
デザイン提供を行う京の町絵師として活動中。

完全原稿が上がる前に輪郭となる墨線のみを先に絵師に仕上げてもらい、図引き紙(ずびきし)
にプリント。それを版木に貼り付け、彫刻の開始です。
百鬼夜行 彫②

百鬼夜行 彫①
百鬼夜行 版木 骨
百鬼夜行 版木 色板
百鬼夜行 版木 部分③ピグモン

11体の怪獣の輪郭線(骨)を彫り、輪郭線が出来たら、それを元に色ごとに彫を開始します。
いかに無駄のない彫枚数で原画と同様の色表現ができるかは彫師の長年の経験
によります。彫は北村氏が手がけました。

色ごとに彫り分けられた版木は9枚 裏表を使い18版になりました。

完成した版木を用い、摺師が原画の色に忠実に摺っていきます。
細かい部分や背景の一文字(グラデーション)を再現するために摺師は何度も版を
使い分け摺重ねていきます。

そのような過酷な使用にも摺り耐え、紙の伸縮によるズレもでない強さがある
紙は越前生漉奉書紙を使用しています。
岩野市兵衛 生漉奉書紙②
この和紙は2000年に国指定重要無形文化財(人間国宝)に認定された手漉き和紙
古来の技法を受け継ぎ、木材パルプなどを使用しない100%楮だけを使用した
9代目岩野市兵衛氏によるものです。
岩野市兵衛 生漉奉書紙 Watermark
芸艸堂の特漉き和紙は芸マークのwatermarck(透かし)が入っています。

その和紙に摺るのは京都 市村一房堂の古川氏
11体の怪獣達の色を寸分の狂いなく摺重ねていきます。
百鬼夜行 版木 部分①
百鬼夜行 イメージ②
百鬼夜行 版木 部分②
百鬼夜行 イメージ①

怪獣百鬼夜行 落款版 のコピー

18版の版を用い46回摺重ね完成しました。

現在 絶賛制作中です! 販売サイトはこちらの ぴあ さんから


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ウルトラマン誕生50周年を記念してウルトラマンと怪獣たちが木版画になりました。

こんにちは、芸艸堂(うんそうどう)です。

ウルトラマン生誕50周年にあたる2016年、ウルトラマンと怪獣達が木版画になって登場します。
芸艸堂はその制作を担当させていただきます。

浮世絵木版画 ウルトラマンシリーズ ウルトラマン VS ゴモラ 怪獣殿下 ©円谷プロ

ウルトラマンVSゴモラ 落款版 のコピー
『怪獣殿下』のエピソードを題材に、大阪城を背景にして、ウルトラマンと
古代怪獣ゴモラの対決を描きました。

原画は京都の絵師 冬奇氏に依頼
冬奇肖像

木版画制作は絵師が原稿を描き、それを元に彫師が色ごとに版を彫わけ、
摺師がその版を使い原画の色使いを忠実に再現する昔ながらの分業制作です。

その構図の構想を版権者からお伺いし、原画制作を現在ではほとんど居られなくなった
京の町絵師として活躍中の深谷冬奇氏に依頼。

深谷冬奇
1975年神奈川県生まれ。
高校卒業後京都へ。
日本画を学んだ後、手描き友禅職人として15年間従事する。
そこで感じた日本の伝統文化、伝統美と精神性、守り伝えるべき普遍性を探求しながら
自身の絵を現代生活にふさわしい形に進化させ、国内外、衣食住すべてのジャンルに
デザイン提供を行う京の町絵師として活動中。

完全原稿が上がる前に輪郭となる墨線のみを先に絵師に仕上げてもらい、図引き紙(ずびきし)
にプリント。それを版木に貼り付け、彫刻の開始です。
ゴモラ版木 骨
ゴモラ版木 骨②
ウルトラマンと背景の大阪城の奥行を表現するため 輪郭となる墨線(骨)の版木は
2枚に彫わけました。
輪郭線の彫が出来たら、それを元に色ごとに彫を開始します。
いかに無駄のない彫枚数で原画と同様の色表現ができるかは彫師の長年の経験
によります。彫は関岡氏が手がけました。
ゴモラ版木 色板
ゴモラ版木 色板②
ゴモラ完成図イメージ
色ごとに版は彫り分けるので版木は6枚 裏表を使い12版になりました。

完成した版木を用い、摺師が原画の色に忠実に摺っていきます。
細かい部分や背景の一文字(グラデーション)を再現するために摺師は何度も版を
使い分け摺重ねていきます。

そのような過酷な使用にも摺り耐え、紙の伸縮によるズレもでない強さがある
紙は越前生漉奉書紙を使用しています。
岩野市兵衛 生漉奉書紙
この和紙は2000年に国指定重要無形文化財(人間国宝)に認定された手漉き和紙
古来の技法を受け継ぎ、木材パルプなどを使用しない100%楮だけを使用した
9代目岩野市兵衛氏によるものです。
岩野市兵衛 生漉奉書紙 Watermark
芸艸堂の特漉き和紙は芸マークのwatermarck(透かし)が入っています。

その和紙に摺るのは京都 佐藤木版画工房の中山氏
摺道具 のコピー
原画を見ながら長年の経験で絵の具を調合されます。
ゴモラ摺①
ゴモラ摺②
輪郭となる墨線から摺り始め
ゴモラ摺 色板①
ゴモラ摺 色板②

色板を順番に重ね摺して完成へ。
ウルトラマンVSゴモラ 落款版 のコピー

ゴモラ完成図 裏

裏面は馬連でこすった跡がくっきりと残ります。12版の板を用い32回摺重ね完成しました。

現在 絶賛制作中です! 販売サイトはこちらの ぴあ さんから

その2へ続く


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PAT in Kyoto 第2回京都版画トリエンナーレ2016

こんにちは、芸艸堂(うんそうどう)です。

京都岡崎では春画展が細見美術館で道を挟んで行列が、京都市美術館ではモネ展が始まり
こちらもたくさんの方々が来館されています。同じ会場の2階では版画の展覧会が開催されています。

京都版画トリエンナーレ2016
PAT in Kyoto
京都市美術館
2016年3月6日(日)―4月1日(金)

2013年に出発した「京都版画トリエンナーレ」は、一般公募方式のコンクールとは異なって、
尖鋭な目と豊富な情報を持った複数のコミッショナーによる推薦制を採用しています。
今、もっとも旺盛な活動を展開している若手から中堅の作家たちの版画表現の豊かさを集約的
に紹介し、京都から世界に向けて発信することを目的とした本展覧会に芸艸堂は協賛しています。

ローム会館では蔦屋書店もOPENし、活況している岡崎で本トリエンナーレもお見逃しなく!

PATinKYOTO2016

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モネ KAZARI 鉄斎展 3月の展覧会情報

こんにちは 芸艸堂(うんそうどう)です。

3月の弊社の商品がミュージアムショップに並ぶ展覧会をお知らせします。

マルモッタン・モネ美術館所蔵
モネ展 光の画家、春の京都に。
京都市美術館 3月1日(火)~5月8日(日)

モネ展京都


モネの生涯を辿る奇跡のコレクションが約90点紹介されます。京都では33年ぶりの公開です!

春季特別展ー信仰と祭りのエネルギー
KAZARI かざり
MIHO MUSEUM 年13月1日(火)~5月15日(日)

KAZARI展


信仰の中の動物たち、祭りの賑わいなどを展観しながら、「かざり」をキーワードに日本人の
精神世界をひもとく展覧会。
なかでも伊藤若冲の「升目描き」と呼ばれる独自の技法で描かれた「鳥獣花木図屏風」
と「樹花鳥獣図屏風」の両作が期間限定(3月1日~4月17日)競演します。お見逃しなく! 

生誕180年記念
富岡鉄斎 近代への架け橋
兵庫県立美術館 3月12日(土) ~5月8日(日) 

鉄斎展 兵庫県立


近代文人画の巨匠、富岡鉄斎(1836-1924)の生誕180年を記念した回顧展が開催されます。
富岡鉄斎の画業を約200点の作品、資料で紹介し、絵画制作に貫かれてた鉄斎の世界観を探ります。

(芸艸堂の社名は富岡鉄斎に命名していただきました。)



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ギャラリー
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  • 十字屋カルチャー「芸艸堂で圧巻の版木蔵見学と、摺り師による木版摺り見学」講座のお知らせ。
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  • 第97回 東京インターナショナルギフトショー春2024に出展します。
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