芸艸堂 店主の日記

明治24年京都にて創業、 現在日本で唯一の 手摺木版和装本の 出版社「芸艸堂(うんそうどう)」の 4代目当主が芸艸堂の木版にまつわる話、 旬の情報をお届けします。

2016/04

明治24(1891)年、美術書出版社として京都で創業。
現在、日本唯一の手摺木版本を刊行する出版社です。
その木版摺、製本技術を活用して、明治~昭和初期にかけて刊行した多色摺り図案集のモチーフを
アレンジし、顔料を使った美しい発色、柔らかな和紙の手触りが特徴の木版商品や、文具、インテリア
などを制作しています。

伊藤若冲生誕300年記念展 新商品のお知らせ

こんにちは 芸艸堂(うんそうどう)です。

伊藤若冲 生誕300年展が始まりました。
初日から1万人を超す来館者だそうです。

芸艸堂は会場特設ショップに関連品を取り扱っていただいています。

その会場写真が届いたのでご紹介します。
若冲300年記念展売店①
若冲300年記念展売店②

ショップ運営をされているお店はいつも展覧会ごとにオリジナル品を作られ、自社の商品が
違ってみえるくらい飾りつけもすごくきれいに展示いただいています。

展覧会のみのオリジナル商品も多数展開されているので、ぜひ会場でお手に取って下さい。
オリジナル品の紹介は順次こちらの特設サイトでも紹介されますよ。こちら>>


今回の展覧会に向けて当社も新商品を作りました。展覧会初日にぎりぎり間に合った
若冲天井画「朱印帳」と玄圃瑤華のシールです。
制作の関係でまだ会場でしか販売していません。こちらもぜひお手に取って下さいませ。
若冲朱印帳・シール


今日はその若冲を特集したテレビ放映もありますよ。
NHKスペシャル
「若冲 天才絵師の謎にせまる」 
4月24日(日)21:00~21:49 NHK総合テレビ
再放送はNHK総合テレビにて、4月27日(水)0:10~0:59(※26日深夜)と5月4日(水)8:15~9:04の
2回放送されます。

京都信行寺本堂の格天井(ごうてんじょう)に埋め込まれた若冲筆の「花卉図」が紹介されるパートで
「若冲画譜」として現在も木版摺にて再版している弊社もご紹介いただいています。(予定)
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「若冲ミラクルワールド」再放送決定!
4月24日(日)14:30~16:00 NHK BSプレミアム「若冲ミラクルワールド」再放送決定!(第4回)
2011年放送 ■タイトル:黒の革命 水墨画の挑戦者 ■ナビゲーター:大野智 ■語り:中谷美紀...
《動植綵絵》など色鮮やかな作品を描く一方、水墨画の作品も若冲は描いてきました。京都・鹿苑寺
(金閣寺)の《鹿苑寺大書院障壁画》50面を初めてテレビで撮影。
若冲が黒の世界へのこだわりから手がけた技法の1つ、拓版画が紹介されます。

芸艸堂が明治40年頃に刊行した「玄圃瑤華(ゲンポヨウカ)」の元版木を用い、 現代の摺師が絶えてい
た拓版摺りの技法を工夫を重ね再現した様子が紹介されます。


生誕300年記念
若冲展 The 300th Anniversary of his Birth: Jakuchu
東京都美術館4月22日(金) ~ 5月24日(火)

都美 若冲展




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ユニクロ×芸艸堂 UTが今年も登場します

こんにちは。芸艸堂(うんそうどう)です。

ユニクロ×芸艸堂 UTシャツが2014年に引き続き登場します。
今年はアジアの一部地域のみの販売です。
リンク先はフィリピンのユニクロサイトです。
日本からは購入できませんがご覧ください。

ユニクロ×芸艸堂

ユニクロ UT 芸艸堂サイトは>>こちら(メンズ)  >>こちら(ウィメンズ)


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伊藤若冲生誕300年記念 テレビ放映

こんにちは 芸艸堂(うんそうどう)です。

伊藤若冲 生誕300年を記念して関連のテレビ放映が決まってきました。

NHKスペシャル
「若冲 よみがえる “神の色彩” ~生誕300年・天才絵師の謎~」(仮) 
4月24日(日)21:00~21:49 NHK総合テレビ
再放送はNHK総合テレビにて、4月27日(水)0:10~0:59(※26日深夜)と5月4日(水)8:15~9:04の
2回放送されます。

京都信行寺本堂の格天井(ごうてんじょう)に埋め込まれた若冲筆の「花卉図」が紹介されるパートで
「若冲画譜」として現在も木版摺にて再版している弊社もご紹介いただいています。(予定)
IMG_1111

4月14日(木)NHK京都にて「京いちにち」18時30分~19時(京都限定)
でも撮影された様子が放映される予定です。


「若冲ミラクルワールド」再放送決定!
4月24日(日)14:30~16:00 NHK BSプレミアム「若冲ミラクルワールド」再放送決定!(第4回)
2011年放送 ■タイトル:黒の革命 水墨画の挑戦者 ■ナビゲーター:大野智 ■語り:中谷美紀...
《動植綵絵》など色鮮やかな作品を描く一方、水墨画の作品も若冲は描いてきました。京都・鹿苑寺
(金閣寺)の《鹿苑寺大書院障壁画》50面を初めてテレビで撮影。
若冲が黒の世界へのこだわりから手がけた技法の1つ、拓版画が紹介されます。

芸艸堂が明治40年頃に刊行した「玄圃瑤華(ゲンポヨウカ)」の元版木を用い、 現代の摺師が絶えてい
た拓版摺りの技法を工夫を重ね再現した様子が紹介されます。


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4月10日(日)NHK BSプレミアム「若冲ミラクルワールド」命のクリエーター 超細密画の謎(第2回)
4月17日(日)NHK BSプレミアム「若冲ミラクルワールド」千年先を見つめた絵師(第3回)

放映時間や詳細は特設サイトのこちら>>


生誕300年記念
若冲展 The 300th Anniversary of his Birth: Jakuchu
東京都美術館4月22日(金) ~ 5月24日(火)

都美 若冲展




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若冲生誕300年記念展 広重VIVID展 森田りえ子展 4月の展覧会情報

こんにちは 芸艸堂(うんそうどう)です。

4月の弊社の商品がミュージアムショップに並ぶ展覧会をお知らせします。

生誕300年記念
若冲展 The 300th Anniversary of his Birth: Jakuchu
東京都美術館4月22日(金) ~ 5月24日(火)

都美 若冲展

特設サイトはこちら>>

生誕300年を記念して、初期から晩年までの代表作が紹介されます。若冲が京都・相国寺に寄進した
「釈迦三尊像」3幅と「動植綵絵」30幅(宮内庁)が東京で一堂に会すのは初めてです。

原安三郎コレクション 広重ビビッド
サントリー美術館
4月29日(金・祝)~6月12日(日)

広重ビビッド

日本財界の重鎮として活躍した日本化薬株式会社元会長・原安三郎氏の蒐集した浮世絵コレクション
のうち、歌川広重(うたがわひろしげ・1797~1858)最晩年の代表作である名所江戸百景、
六十余州名所図会を中心に紹介されます。 HPより

両展覧会に向けてミュージアムショップに並ぶ新商品を制作中です。

そして京都で現在開催中の展覧会

金閣寺方丈杉戸絵奉納10周年記念 いのち賛歌 森田りえ子展
相国寺承天閣美術館 4月5日(火)~6月19日(日)

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1980年に京都市立芸術大学日本画専攻科(現大学院)を修了し、翌年の第7回春季創画会での
春季展賞受賞を皮切りとして各賞に選出され、1986年には第一回川端龍子大賞展で大賞を受賞
一躍現代画壇で注目を集めることになりました。

一方、寺社を舞台とした制作へも積極的に挑み、相国寺の有馬賴底管長からの依頼を受け、
2007年同寺の山外塔頭である金閣寺の方丈杉戸絵八面および客殿天井画二面を奉納しました。
その奉納から10年目の節目を迎えることを記念し、金閣寺方丈杉戸絵をはじめ、2015年10月発表
の新作シリーズ「KAWAII・GITAI」 を京都で初公開するなど約120点が展観されます。 HPより

特設売店にて森田画伯のオリジナル木版画「山桜」「佛桑花(ハイビスカス)」を展示販売中です。


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北斎漫画 再版始まる

こんにちは、芸艸堂(うんそうどう)です。

弊社は現在では日本唯一の手摺木版和装本を刊行する出版社です。

この度、1年余りの制作期間をかけ 手摺木版本「北斎漫画」を再版する事になりました。
当時の技術そのままに手摺木版印刷、和綴じ製本にて復刊をする事で、技術継承をしながら
手摺木版版本・北斎の画業を広く知ってもらうきっかけにしたいと思っています。

しかしながら現在の木版印刷の環境は、和紙の製造・木版摺・和綴じ製本の現場で高齢化や
材料不足により技術継承が危ぶまれています。
さらに、制作には紙漉きから製本まで1年以上を要し、なかなか実現する事ができませんでした。
この再版資金をサポートいただきたく、クラウドファンディングのMakuakeに参加することにいたしました。

15編15丁墨版と摺本web用


Makuake 
200年前の江戸の技術に挑む! 手摺木版本「北斎漫画」の再版を実現させたい 

詳細は>>こちら

北斎漫画 全15冊帙入り 150部摺立 ¥324,000

版木:芸艸堂蔵版木(710枚) 技法:手摺木版画 用紙:土佐和紙(須崎半紙)約80000枚使用

和装本(天地238ミリ×左右160ミリ)布製帙入・外函段ボール納め 

総434丁(各冊平均29丁)

別冊解説(和装本1冊)付:永田生慈(葛飾北斎美術館館長)

江戸の浮世絵師 葛飾北斎が描いた版本(木版摺和装本)「北斎漫画」をご存知でしょうか?
北斎漫画15冊

表題に漫画とありますが、現代のマンガとは異なり、元は門下生のために画技を披露したスケッチ
を集めたものです。踊りや相撲をとる人物から幽霊妖怪、風景や行事など3,900余りにも及ぶ図が、
全15編の木版摺和装本として収められています。

北斎漫画書影③
北斎漫画書影

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それは遠く海を越え、北斎芸術の真髄「絵の百科全書/ホクサイ・スケッチ」と言われ、19世紀
ヨーロッパの画家たちに絶大な影響を与えました。

北斎肖像 のコピー
葛飾北斎(1760~1849)

90年の生涯を画業一筋に歩んだ、日本を代表する浮世絵師です。

50代半ばで「北斎漫画初編」は出版され、人気が衰えることなく、没後の明治11年に全15編をもって
完結するというロングベストセラーとなりました。

そして今日まで途絶えることなく、様々な印刷方法で出版され続けています。

しかし北斎が伝えようとした芸術性を感得してもらうには当時と同様に和紙を用い、手摺木版印刷の
北斎漫画を見て触れてほしいのです。

それが出来るのは江戸期の発行から数々の版元に移り、現在その版木を保管している
芸艸堂なのです。


版木蔵


伝承する版木について:
名古屋・東壁堂→東京・吉川弘文館→京都・芸艸堂(現在)。
江戸から明治・大正に伝承された東京の版元の浮世絵版画の版木は、関東大震災・東京大空襲で
殆んど消失することになり、文化的にも産業的にも木版業界は大打撃を受けました。そんな情況の
なか『北斎漫画』の版木(710枚)は明治末に京都へ移管されたため、この貴重な版木は失われる
ことなく伝承されました。

永楽堂版木
裏面に「版元 永楽堂書舗」の名前と所在地が墨書きされている版木。

版木の実情:
嘉永刊の14編、明治11年刊の15編は発行時の版木のままです。初編~13編は
江戸期に東壁堂で補刻再刻するが、磨耗が激しいので明治30年代か40年代に
かけて、東京・吉川弘文館でさらに補刻・再刻され伝承されました。

版木の価値(全15冊・全434丁):

『北斎漫画』は木版画の基本である北斎独得の細密な墨の線の墨版(主版)
1丁<見開き頁>を彫るのに、最高技術の親方職人で一ヶ月に4丁が限界だった
と想像できます。都合434丁を彫るのに、100ヶ月余り必要です。四人の職人で
25ヶ月余、約2年かかったことになります。さらに、<淡ねず><肉色>の色版
を一版ずつ合計434丁(710枚 )を彫るので、江戸期の制作時はもとより、明治
年間においてもその時間と費用は膨大であった事が想像できます。

スズメ踊り版木
スズメ踊り版木・他

北斎漫画は墨線と他2色 計3色 3版を用い一枚を仕上げます。版にはとても堅く
歪みが少ない桜の木を使用しています。(縦25センチ×横38~42センチ)

版木の調達:

伝承の『北斎漫画』の版木のうち色版は磨耗により補刻・再刻がされています。
磨耗した版木を削り、そこに再刻します。旧来の版木の表裏を使いますので、
数度の削りにより、厚さ7~8ミリの極端に薄い色版の版木になる場合もあります。
このように多量な版木を調達することが困難を要したことで、費用も膨大であった
ことが想像されます。現在では版木の板を制作する板屋さんが廃業されています。
これだけの桜の板を集めることは不可能に近く、このような版木が明治以来当社に
伝えられてきた事はとても幸なことでした。

薄くなった版木

版本の用紙:

『北斎漫画』の用紙は薄くて丈夫な楮(こうぞ)を原料とした土佐の
「須崎(すざき)半紙(はんし)」を使用します。現在、この半紙を生産する地場は
殆どなく、前回再摺りに用いた漉元も絶えてしまいました。今回の再摺りに際し、
新たな半紙を調合する必要がありました。摺師と何度も試し摺りを繰り返し、
調合をし直した再摺りにふさわしい半紙を調達しました。

用紙画像2(摺上り) のコピー

再摺りに必要な枚数は全15編、各編平均29丁分で約80,000枚必要です。それを
均質で丈夫、かつ薄く漉くのに5ヶ月余を要します。

木版摺り:
通常、錦絵のような多色摺りの木版画を摺る際、バレンで紙背から摺り込む絵具を
定着させ、和紙の狂いを少なくするために、<湿(しと)り>を与えます。
今回の摺りでは、半紙という薄紙に墨色・淡ねず色・肉色の三色を摺り込む版本の
摺りなので、<湿り>を与えずに、各色を摺りかさねていきます。

骨板に地墨をおく のコピー
版木肉
見当にあわせて紙を置く のコピー
バレンで摺る
馬連 のコピー

墨版による墨摺りが全ての基本です。薄い半紙にバレンの力加減一つで、北斎独得の
筆線のタッチを均質に定着させる技術が妙味といえます。よって限られた摺師達に
よって再摺りすることになります。
摺師②
摺師 のコピー
北斎漫画書影③

製本:
摺りあがった版画は経師(きょうじ)と言われる職人の手で1冊ずつ、製本していきます。
経師も現在では数名を残すのみとなっています。

製本 圧
摺りあがった版画を丁ごとに折り、圧をかけます。
製本021 のコピー
ずれのないよう仮どめし、糸を通していきます。
製本011 のコピー
製本①
製本②
北斎漫画書影


芸艸堂(うんそうどう)

明治24(1891)年京都で創業した美術書の出版社であり木版画の版元です。芸術の「芸」と「草」
の旧字体「艸」で「うんそう」と読みます。本来 芸は「うん」と読みました。やがて「うん」
という読みが無くなり芸術の「藝」の略字となったのです。これは芸香(ウンコウ)という草の
名前です。洋名はヘンルウダという柑橘系の香りのする草です。当時は、紙を食べる紙魚(シミ)
という虫をよけるために栞として使われていました。和紙など紙を扱う会社であることからこの
草の名前を明治・大正期の文人画家・儒学者の富岡鉄斎(1837-1924)に命名していただきました。

店舗(創業時)
店舗(現在)


現在 紙が順次漉き上がり摺師の元で摺が始まっています。完成は2016年12月末を目標に
制作中です。ぜひこちらのサイトをご覧いただきご支援いただければ幸いです。




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