こんにちは、芸艸堂(うんそうどう)です。

先日、加藤晃秀先生の木版画展を紹介させていただきました。
今日は新作の案内です。

嵐山桜景(らんざんおうけい)

加藤晃秀先生は1936年京都市生まれ。京都美術大学日本画科卒業後、デザイン工房を設立し、
各種工芸品企画に参画する一方、独特のタッチの“粋画”を創案されました。
ニューヨークなどの各地で個展を開催し、海外からも注目を集めています。白と黒を基調にした
大胆な構図で古都の風情を描き、芸艸堂では先生のご許可をいただき原画から木版画で再現しています。

今回の嵐山桜景木版画39作目となります。

嵐山桜景原画

↑先生の描かれた「原画」
こちらを基に彫師が色ごとに桜の花びらや枝、背景などを彫分けていきます。

版木1版木2

版木4版木3



原画に描かれている桜は何層にも塗り重ねられ立体的に絵具が盛り上がっています。
その色の重なりを表現するため、数枚の版木が彫られていきます。
(3枚目の写真には彫刻に必要な色分けされた下絵が貼られています。)
また、枝は桜の薄いピンク色が重ならないように部分的に彫上げられています。

出来上がった版木から原画を観ながら摺師が忠実に摺り上げて行きます。

校正1


初校が出来上がると先生の校正の元、色の修正や背景から色が
はみ出た部分などを彫足し本摺りへ

校正2
校正3

桜の花びら一枚一枚まで原画に忠実に摺られています。
画面では解りにくいですが、胡粉を使って摺られた花びらは原画の
ように盛り上がっています。

嵐山桜景 元画像

完成した木版摺り「嵐山桜景」。画面下に作家自身のサイン入り。

上記の原画写真と見比べても原画と見間違う程の完成度です!
お部屋のインテリアや贈答品にいかかでしょうか