明けましておめでとうございます、芸艸堂(うんそうどう)です。

本年も展覧会・展示会や木版制作にまつわる記事を更新していきますので
宜しくお願いします。

昨年の新刊和雑貨のお知らせに
続き、新年最初の紹介は木版画の大作です。

桜蘭の朝表題


平山郁夫 筆 文化勲章受章者
桜蘭の朝
手摺木版画 限定100部 検印番号入 価格 972,000円(本体900,000円)
販売サイトは>>こちら
平山郁夫「楼蘭の朝」加工


■技法:手摺木版画 65版 95度摺
■用紙:越前生漉奉書(人間国宝岩野市兵衛)
■彫師:松田俊蔵 摺師:宮村克己
■監修:公益財団法人 平山郁夫シルクロード美術館
■原画:『桜蘭の朝』1991年制作 公益財団法人 佐川美術館蔵
■額仕様:木製金泥仕上アクリル入・布製函納め
       額裏検印シール貼込
■木版画寸法:縦40センチ×横58センチ
■額寸法:縦66センチ×横82センチ
*木版画の下部余白に限定番号とともに落款(著作権継承者の検印)が入ります。

【木版画の制作】
原画制作から木版画を制作する場合、原画の微妙なタッチと色調を忠実に再現するため、
輪郭の線を彫る〈墨板〉と各部の色の〈色板〉が必要となります。
どのような順序と方法で色を摺り重ねるかが重要で、熟練の彫師と摺師によって〈色分け〉
が決定されます。入念な原画校正に基づき〈本摺り〉作業となり、強靭な手漉和紙の裏側からバレン
で何十回と摺重ねられ完成します。

和紙を 漉く
木版画に用いられる用紙は楮(こうぞ)を原材料とする越前生漉きを使います。
90回を超えるバレンの摺に耐える最高峰の和紙を使用。人間国宝9代岩野市兵衛が1枚ずつ丁寧に
漉きました。
紙漉き①
紙漉き②


版木を 彫る
平山画伯の作品は同系の色調のぼかしや濃淡により微妙な象(かたち)の輪郭線が表現されています。
それを摺で再現するため驚くほど多量の〈色板〉が必要になります。
桜材の版木を用いて65版の〈彫板〉を制作しました。
彫道具

平山彫


木版の 摺り
浮世絵のように輪郭となる墨線がない微妙な色調やぼかしを顔料を摺重ね原画の趣を最大限に再現し、
1枚の作品に仕上げていく摺師は長年の技術と勘がものいう世界です。
平山摺②
平山摺①


平山芸術の素晴らしさを再現するため最高峰の木版技術を持つ職人達が集い完成までに1年を要し
た作品です。



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