こんにちは、芸艸堂(うんそうどう)です。
D23 Expo Japanを記念した先行品として
浮世絵木版画「魔法使いの弟子」の制作を承りました。
その木版画が ウォルト・ディズニー・アーカイブス展で展示・販売が決まりました。
ウォルト・ディズニー・アーカイブス展
8月1日~8月20日 銀座松屋 他全国5ケ所
主催: ウォルト・ディズニー・アーカイブス展 大阪会場実行委員会
協力: ウォルト・ディズニー・ジャパン
ウォルト・ディズニーとウォルト・ディズニー・カンパニーに関する史料を
収集・保存する米国「ウォルト・ディズニー・アーカイブス」。
そこは、ディズニーの才能豊かな人々のイマジネーションによって生み出さ
れた数々の作品に関する貴重な資料と、その作品に込められた情熱や
エピソードが集まる、夢と創造の宝庫です。
しかし、一般公開されていないその場所は、誰もが簡単に入れる空間ではありません。
本展覧会は、まるでアーカイブスの中に入ったかのような体験をお届けすべく
企画された、日本初の試みです。
木版制作にあたり、いただいた構想を基に原画制作を京都の絵師 深谷冬奇氏
が背景含め全体を仕上げました。
絵画と違い、彩色にも色ごとに版木を彫りわけ、摺を重ね色を表現する
木版技法の事を考えながら彩色していただきました。


星の河を三色程の色使いでグラデーションを表現しています。

完成した原画
原画から墨線を彫師がトレスし、図引き紙(ずびきし)にプリント。
それを版木に貼り付け、彫刻の開始です。
大小様々な彫刻刀を使い分け、いかに無駄のない彫枚数で原画と同様の色表現
ができるかは彫師の長年の経験によります。彫は名人 渡辺氏が手がけました。


輪郭となる骨板。
その骨線彫に合わせて色板を彫分けていきます。

星の河を再現するために色ごとに彫り分けていきます。
色ごとに彫り分けた版木は9枚 裏表を彫り、版数は17版です。
(骨板(輪郭線)のみ片面彫のため)
完成した版木を用い、摺師が原画の色に忠実に摺っていきます。
細かい部分や星の河のグラデーションを再現するために摺師は何度も版を
使い分け摺り重ねていきます。
そのような過酷な使用にも耐え、紙の伸縮によるズレもでない強さが
ある紙は越前生漉奉書紙を使用しています。

この和紙は手漉き和紙古来の技法を受け継ぎ、木材パルプなどを
使用しない100%楮だけを使用した山口和夫氏によるものです。
その和紙に摺るのは吉田氏


絵の具を板に載せる刷毛やブラシも大小さまざまな種類を使い分けます。


原画を見ながら絵の具を調合し、薄い色から順に重ね摺りしていきます。

グラデーションの部分はどのようにして摺られていると思いますか?
版木に絵の具をグラデーション状に載せ摺っているのです。
どの版画も均等に摺る事ができるのは熟練の技術が必要です。



星の河のグラデーション部分の版木 当て無しボカシといい、技術が必要な摺り技です。

当初彫られたグラデーション用の版木、河の部分が彫られているのですが、和紙
に彫った部分の線が出てしまい上記の版木に彫直しされました。
17版の版木を用いグラデーションなどに何度も摺り重ね、その摺り度数は40回に
及びました。完成した版画がこちらです。

紙寸:縦40cm×横27.5cm
絵寸:縦37.5cm×横24cm
和紙:越前生漉奉書紙 山口和夫
絵師:冬奇
彫師:渡辺和夫
摺師:吉田秀男
17版40度摺
発売:株式会社 ニュートラルコーポレーション
制作:美術書出版株式会社芸艸堂
認定書付

ぜひ会場にてご覧になって下さいませ。

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D23 Expo Japanを記念した先行品として
浮世絵木版画「魔法使いの弟子」の制作を承りました。
その木版画が ウォルト・ディズニー・アーカイブス展で展示・販売が決まりました。
ウォルト・ディズニー・アーカイブス展
8月1日~8月20日 銀座松屋 他全国5ケ所
主催: ウォルト・ディズニー・アーカイブス展 大阪会場実行委員会
協力: ウォルト・ディズニー・ジャパン
ウォルト・ディズニーとウォルト・ディズニー・カンパニーに関する史料を
収集・保存する米国「ウォルト・ディズニー・アーカイブス」。
そこは、ディズニーの才能豊かな人々のイマジネーションによって生み出さ
れた数々の作品に関する貴重な資料と、その作品に込められた情熱や
エピソードが集まる、夢と創造の宝庫です。
しかし、一般公開されていないその場所は、誰もが簡単に入れる空間ではありません。
本展覧会は、まるでアーカイブスの中に入ったかのような体験をお届けすべく
企画された、日本初の試みです。
木版制作にあたり、いただいた構想を基に原画制作を京都の絵師 深谷冬奇氏
が背景含め全体を仕上げました。
絵画と違い、彩色にも色ごとに版木を彫りわけ、摺を重ね色を表現する
木版技法の事を考えながら彩色していただきました。


星の河を三色程の色使いでグラデーションを表現しています。

完成した原画
原画から墨線を彫師がトレスし、図引き紙(ずびきし)にプリント。
それを版木に貼り付け、彫刻の開始です。
大小様々な彫刻刀を使い分け、いかに無駄のない彫枚数で原画と同様の色表現
ができるかは彫師の長年の経験によります。彫は名人 渡辺氏が手がけました。


輪郭となる骨板。
その骨線彫に合わせて色板を彫分けていきます。

星の河を再現するために色ごとに彫り分けていきます。
色ごとに彫り分けた版木は9枚 裏表を彫り、版数は17版です。
(骨板(輪郭線)のみ片面彫のため)
完成した版木を用い、摺師が原画の色に忠実に摺っていきます。
細かい部分や星の河のグラデーションを再現するために摺師は何度も版を
使い分け摺り重ねていきます。
そのような過酷な使用にも耐え、紙の伸縮によるズレもでない強さが
ある紙は越前生漉奉書紙を使用しています。

この和紙は手漉き和紙古来の技法を受け継ぎ、木材パルプなどを
使用しない100%楮だけを使用した山口和夫氏によるものです。
その和紙に摺るのは吉田氏


絵の具を板に載せる刷毛やブラシも大小さまざまな種類を使い分けます。


原画を見ながら絵の具を調合し、薄い色から順に重ね摺りしていきます。

グラデーションの部分はどのようにして摺られていると思いますか?
版木に絵の具をグラデーション状に載せ摺っているのです。
どの版画も均等に摺る事ができるのは熟練の技術が必要です。



星の河のグラデーション部分の版木 当て無しボカシといい、技術が必要な摺り技です。

当初彫られたグラデーション用の版木、河の部分が彫られているのですが、和紙
に彫った部分の線が出てしまい上記の版木に彫直しされました。
17版の版木を用いグラデーションなどに何度も摺り重ね、その摺り度数は40回に
及びました。完成した版画がこちらです。

紙寸:縦40cm×横27.5cm
絵寸:縦37.5cm×横24cm
和紙:越前生漉奉書紙 山口和夫
絵師:冬奇
彫師:渡辺和夫
摺師:吉田秀男
17版40度摺
発売:株式会社 ニュートラルコーポレーション
制作:美術書出版株式会社芸艸堂
認定書付

ぜひ会場にてご覧になって下さいませ。

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