芸艸堂 店主の日記

明治24年京都にて創業、 現在日本で唯一の 手摺木版和装本の 出版社「芸艸堂(うんそうどう)」の 4代目当主が芸艸堂の木版にまつわる話、 旬の情報をお届けします。

2011/03

明治24(1891)年、美術書出版社として京都で創業。
現在、日本唯一の手摺木版本を刊行する出版社です。
その木版摺、製本技術を活用して、明治~昭和初期にかけて刊行した多色摺り図案集のモチーフを
アレンジし、顔料を使った美しい発色、柔らかな和紙の手触りが特徴の木版商品や、文具、インテリア
などを制作しています。

芸艸堂(うんそうどう)が紹介されています


こんにちは、芸艸堂(うんそうどう)です。
弊社の商品や店舗を紹介していただいた書籍をお知らせします。

レタスクラブ3月号(㈱角川マーケティング)

2011年3月『レタスクラブ』①
2011年3月『レタスクラブ』③

の京都特集で、芸艸堂が掲載されています。
「京都のええもん かわいいもん」というこの特集は、切り離し
て持ち運べる小冊子になっています。
芸艸堂をご紹介して下さっているのは、SOU・SOUの本間陽子さん。
木版画の風合いを愉しんで下さるSOU・SOUさんには、木版画によ
るノベルティグッズのご注文も頂きました。今回も『レタスクラブ』
を通じて芸艸堂をご紹介くださいましてありがとうございました!

SOU SOUさんの関連記事は>>こちら

アートを楽しむ京都地図本(京阪神エルマガジン社)

2011年4月『アートを楽しむ京都地図本』①
2011年4月『アートを楽しむ京都地図本』③

芸艸堂が掲載されています。36.37ページの「寺町二条①」の中です。
店舗の写真とぽち袋が紹介されています。地図付きなのでとても分か
りやすいです。
芸艸堂のある寺町通りは、実はアートなお店がたくさんある穴場スポットです。

掛けたくなる軸(朝日新聞出版 / 1575円(税込) / 2011年1月20日発売)

掛けたくなる軸
掛けたくなる軸②

古今東西の文化を結ぶことをテーマに表現活動を行う山口智子さんが、
自ら日本全国を歩いて手技の逸品を取材、2009年5月から1年間
にわたってAERA誌上で連載した「掛けたくなる軸」。51点の作品が紹介、
京都・金沢の職人を訪ねる紀行文を加えて1冊の本になりました。


これから桜の季節、本を片手に京都探訪、いかがですか。

豆本 最新刊のお知らせ「鳥獣略画式」

こんにちは、芸艸堂(うんそうどう)です。

今日は新刊のお知らせです。
普段書店で本を手に取られる時、表紙、作家、出版社を見られても
書籍の製本を気にかける方は少ないのではないでしょうか?

今日ご紹介する本は和綴じ製本の手のひらに収まる豆本です。

鳥獣略画

鳥獣略画式 鍬形惠斎(ちょうじゅうりゃくがしき くわがたけいさい)
名作『北斎漫画』のヒントになったといわれる惠斎描く大好評「略画式」シリーズ第2段!
象や犬猫、キツネにタヌキ、鳥類魚類カエルやトンボなどポップで楽しい動物たちの江戸版カット集を和綴じ豆本で復刻。
江戸のベストセラーを京都の製本屋による和綴じの豆本で復刻!

【ISBN】 978-4-7538-1296-7
【著者】 鍬形惠斎 著
【価格】 定価1,680円 (本体1,600円+税)
【発行】 2011年3月14日
【仕様】 四色刷/B7変型判/(11.6×8.3㎝)/46頁/和綴じ・豆本
【分類】 絵画/デザイン/浮世絵・版画

製本は京都の安井製本所の職人さんたちの手により一冊一冊手で綴じられています。
以前ご紹介した和綴じノートもこちらの制作。
製本2製本3製本1

洋綴じと違い、ページを目一杯広げても剥がれる事無く、
もし紐が切れても修復可能な日本独自の優れた製本技術です!

こちらの豆本シリーズ、大変好評を得てまして
シリーズ第一弾「光琳略画式」は好評につき三刷増刷中です。

光琳略画

江戸琳派を代表する抱一が、光琳の作品から抜粋して描いた略画集。明治期刊行の版本を原寸大・和綴じで復刻。手のひらにすっぽり入る豆本に、恵比寿・大黒をはじめ、草花、十二支、故事等々を満載。
【ISBN】 978-4-7538-1287-5
【著者】 酒井抱一 著
【価格】 定価1,680円 (本体1,600円+税)
【発行】 2008年10月7日
【仕様】 四色/B7変形/(11.6×8.3㎝)/44頁/和綴じ・豆本

コピー ~ 略画奥付

明治39年初版発行 再版平成20年と約102年ぶりの再版となったこの豆本、
現在「光琳略画」北斎「一筆画譜」惠斎「人物略画」「鳥獣略画」の4種類になりました。
まだまだシリーズは増えていきます!

↓芸艸堂店舗では籠に入れて販売しています。

豆本展示例

長沢芦雪の木版画


こんにちは、芸艸堂(うんそうどう)です。


芸艸堂には江戸末期~明治初期に制作されたと思われる葛飾北斎円山応挙長沢芦雪伊藤若冲
などの版木が現存しています。

当時の印刷技術は木版摺りが主流であり、多くの画家の画帖本が出版されていました。
明治になり徐々に機械印刷が普及しはじめ、木版印刷から機械印刷に移行する出版社から、
芸艸堂は創業時より版木を求版してまいりました。
その数は数万枚にのぼり、正確な数はわかりません。

桜材に彫られた版木は芸艸堂に伝わって120年経過していますが、現在も再摺りが可能であり
現在の摺師さん達によって再版し続けています。

その中の1つ、長沢芦雪の藤花群雀図を紹介します。

長沢芦雪(ながさわ ろせつ) 宝暦4年(1754年) - 寛政11年(1799年)

「京都画壇のルネサンス」ともいえる気風を代表する江戸時代後期の絵師。
江戸中期の代表的絵師・円山応挙に学び、奇抜で機知に富んだ表現を展開した画家。


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版木の数は8枚、内、6版の両面に彫刻がほどこされているので版の数は14版になります。

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輪郭となる「骨」といわれる、基本となる版木。輪郭の幅は1ミリ程。
凸に彫り上げられています。

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「骨」板を基本に彫られた色板。全ての板が「骨」の輪郭とずれない様に彫られています。

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裏面に彫られた別の図柄の彫刻。
絵柄ごとに版木はひと括りして保管しているのですが、
桜の木は当時も貴重であり、無駄なく彫刻されていました。
この図を摺る場合、この1版が芦雪の版木に彫られているので、探す羽目になります。
(古版木から再摺りする場合、芸艸堂では頻繁に起こる現象

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上記の版木の摺り上がった部分です。

時代とともに歪んだり反り返った版木を摺師さんが一枚づつ調節し
100年以上再摺りしていなかった版木から色ずれなく摺り上げて頂きました。
調節した版木は「絵具が和紙にきれいに載って行きました。」と摺師さんが
言われていました。

当時の彫りの技術の高さが伺える、実際に手にとって使う職人さんでしかわからない
版木の話も知ることができました。

今日ご紹介した 長沢芦雪さんの展覧会が開催されています。

MIHO MUSEUM にて
2011年春季特別展「長沢芦雪 奇は新なり」
3月12日(土)〜6月5日(日)が開催中です。

同展では、重要文化財「虎図襖(とらずふすま)」や「白象黒牛図屏風(はくぞうこくぎゅうずびょうぶ)」
などの代表作をはじめ、82年間行方不明だった「方寸五百羅漢図(ほうすんごひゃくらかんず)」を含めた
新出作品40点以上が展示されています(会期中展示替えあり)。

3月の展覧会情報その2


こんにちは芸艸堂(うんそうどう)です。

もうすぐ春分の日なのに、まだまだ寒い日が続いています。
今日も冷たい小雨が降っておりますが
春を目前に色々と展示会が開催されてきました。
前回に引き続き展覧会情報をお知らせします。

セレクトショップ京 5周年記念展
2011年3月15日(火)~4月18日(月) 最終日17時迄

ハイアットリージェンシー 京都 ロビー内の「セレクトショップ 京」が
オープン5周年を迎え記念展を開催されます。

芸艸堂はオープン時から取り扱い商品として展示・販売させていただいております。
今回も期間のみの琳派を中心とした観賞用木版画木版和雑貨などを出品しております。
桜咲く季節、来京ご予定のお客様は是非一度お立ちより下さい。

ハイアットDMハイアットDM2
↑このどこかに私も顔出ししています。

セレクトショップ京
〒605-0941 京都市東山区三十三間堂廻り 644番地2
ハイアットリージェンシー京都 ロビー内
営業時間 9:00~19:30(金・土・祝前日 ~20:00)

木版和綴じのノートが出来ました。


たびたび更新しております。芸艸堂(うんそうどう)です。

ご案内した 京たしなみの道具展 に向けて制作した木版和綴じのノートが完成しました。
明日からの展示会で初出展となる製品です。

今回の企画者から日本の色をテーマに木版摺りのノート制作の提案をいただいたのが
制作のはじまりでした。
10月に企画提案
   ↓
11月に基本色決定
   ↓
木版彫師さんに発注
   ↓
摺師さんにテスト摺り
   ↓
校正を経て製本職人さんに撮影用 各一部づつ制作
っと順調に展示会までに物つくりが進んでいました。
年末の休業中 自宅でほっこりしていた所
企画者さんからメールが…
「やっぱり もう一色 柄を載せて作り直して」

…えぇぇ 今からやり直しですか~!
と師走の中 大慌てで摺師さんに本摺りのストップをお願いし
新たなデザインを企画者さんと1月中に打合せ
     ↓
摺師さんに予算内で制作可能か打診!
(半分無理やり承諾していただき)
     ↓
新たに1版彫師さんに追加彫りをお願いし
製本職人さんにも完成延期を伝え、すでに用意してある本紙を
そのまま預かっていただいた。
     ↓
そこへ、またまたメールが!
「カタログ用に2月25日までに見本が必要です」
     ↓
再度摺師さんへ各10枚~20枚仕上げていただき、
製本も各10部のみ突貫で仕上げていただきました。

その商品がこちら↓

木版ノート 2
綴じUP
木版ノート見開き

表紙の表裏には日本の伝統色を、文様には古典柄「菊文様」を
手摺木版で和紙に摺り上げました。
製本は京都の和綴職人による1冊1冊手づくりの製本です。

手作りの商品は毎回納期まで予想外の事が起こり
ヒヤヒヤしますが出来上がりは当初の作品より
すごく良い出来になりました!

展示会にお越しの際、ぜひ手にとってご覧下さいませ。
ギャラリー
  • 蘭花譜と大山崎山荘 ―大大阪時代を生きた男の情熱 展が始まります。
  • 十字屋カルチャー「芸艸堂で圧巻の版木蔵見学と、摺り師による木版摺り見学」講座のお知らせ。
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  • 長沢芦雪展が九州国立博物館で始まります。
  • 第97回 東京インターナショナルギフトショー春2024に出展します。
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