芸艸堂 店主の日記

明治24年京都にて創業、 現在日本で唯一の 手摺木版和装本の 出版社「芸艸堂(うんそうどう)」の 4代目当主が芸艸堂の木版にまつわる話、 旬の情報をお届けします。

2017/07

明治24(1891)年、美術書出版社として京都で創業。
現在、日本唯一の手摺木版本を刊行する出版社です。
その木版摺、製本技術を活用して、明治~昭和初期にかけて刊行した多色摺り図案集のモチーフを
アレンジし、顔料を使った美しい発色、柔らかな和紙の手触りが特徴の木版商品や、文具、インテリア
などを制作しています。

歌川国芳 水滸伝の世界展 岡崎市美術博物館

こんにちは 芸艸堂(うんそうどう)です。

展覧会のお知らせと関連書籍の案内です。

歌川国芳 水滸伝の世界
岡崎市美術博物館 7月29日(土)~9月10日(日)

江戸時代、中国四大奇書のひとつである「水滸伝」は、大衆の間で一大ブームとなりました。
本展では、武者絵の名手として名高い歌川国芳(1797~1861)が手がけた
《通俗水滸伝豪傑百八人之一個(壹人)》(当館寄託)を中心に、「水滸伝」の世界、
そして国芳作品の魅力が紹介されます。

国芳 水滸伝の世界 表
国芳 水滸伝の世界 裏


関連書籍として「八犬伝錦絵大全 国芳 三代豊国 芳年 描く江戸のヒーロー」
ミュージアムショップにて取り扱いいただきます。
展示作品のほとんどが収録されていますのでぜひ図録としてもご覧ください。

八犬伝錦絵大全WEB



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「ザ・ローリング・ストーンズ」オフィシャルTシャツコンセプトストア 日本橋三越にて

こんにちは 芸艸堂(うんそうどう)です。

結成55周年を迎え、ロックの代名詞的な存在ともいえる英国出身の人気バンド
「ザ・ローリング・ストーンズ」をフィーチャー。
アルバムジャケットを使用したTシャツをはじめ、弊社が制作した
The Rolling Stones ローリングストーンズ 浮世絵木版画も紹介されることになりました。

「ザ・ローリング・ストーンズ」
オフィシャルTシャツコンセプトストア

日本橋三越
■7月19日(水)~25日(火)  本館1階 紳士雑貨
■7月26日(水)~8月1日(火) 本館2階 メンズイベントスペース

ぜひ実際に摺られた版画をご覧ください。
The Rolling Stones富嶽大舌景~赤舌~落款版 のコピー
The Rolling Stones富嶽大舌景~青舌~落款版 のコピー
龍寶大舌景 のコピー



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笠松紫浪「日光華厳の瀧」再版

こんにちは 芸艸堂(うんそうどう)です。

海外での人気が高い新版画作家 笠松紫浪の木版画の再版が仕上がってきました。

芸艸堂が制作した笠松さんの木版画は昭和20年頃より版行をはじめ、100点近くの作品を発表。
当時摺られた版画(初摺り/ 余白に制作した年号が摺りこまれています。)は
海外などで高値で売買されています。
日本各地を題材とした作品は近年日本でも再評価されています。

今回再版した版画は 「日光華厳の瀧」

日光華厳の瀧のコピー

手前の岩と奥の瀧では陰影があり奥行が表現されています。
通常濃い色の墨線と薄墨の線があると版木を彫分けるのですが この版木は
輪郭となる墨線を1版で制作しています。
摺師はその一枚の版木を用い墨の濃淡で輪郭を摺、なおかつ奥行きも表現した
摺をしています。 これは浮世絵の美人画などで使われる彫・摺の技法です。

20170704144507_00001

他にも和紙の地色に水色のぼかし、岩肌のグラデーションで滝壺に落ちる水しぶき
による霞を表現しています。
日光華厳の瀧 のコピー2

浮世絵摺から続く最小限のコストで効果的な彩色を表現をする技術が新版画にも
継承されています。

手に取られて木版摺の隠れた彫・摺りのテクニックもご覧いただけたら幸いです。


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「浮世絵揃い踏み」「オバケ絵大博覧会」「生誕220年広重展」 7月の展覧会情報 

こんにちは 芸艸堂(うんそうどう)です。

芸艸堂の関連品がミュージアムショップに並ぶ展覧会をお知らせします。

広重・北斎・歌麿・写楽
浮世絵揃い踏み
~平木コレクション~
岡山県立美術館 7月14日(金)~8月27日(日)

浮世絵コレクションの一つとして知られる平木コレクションの作品数約6000点から、
選りすぐりの200点が出品されます。

岡山 浮世絵揃い踏み


夏季特別展
オバケ絵大博覧会
明石市立文化博物館 7月22日(土)~9月3日(日)

葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳などの絵師たちによる、想像力にあふれた
オバケ浮世絵が展示されます。

明石 おばけ


特別展
生誕220年広重
‐雨、雪、夜 風景版画の魅力をひもとく

安城市歴史博物館 7月22日(土) ~ 9月3日(日)

前期:「広重の旅」、後期:「風景絵師広重」というテーマで
保永堂版「東海道五拾三次之内」(全揃:通期展示)だけでなく、
20以上もある東海道絵から代表的な作品のほか、江戸名所絵、
全国各地の名所絵など広重の主要な作品154点が展示されます。


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若冲のトートバック × 一澤信三郎帆布が完成しました。

こんにちは 芸艸堂(うんそうどう)です。

今夏、京都本店およびウェブショツプ限定販売として若冲の拓版画集「玄圃瑤華
から「未草(ひつじぐさ)」をプリントしたトートバッグが登場します。
制作は一澤信三郎帆布さまに依頼しました。
7月6日発売予定で、価格は9,000円(本体)です。

*2018年10月 こちらの帆布は完売いたしました。

一澤信三郎帆布 謹製
若冲の「未草(ひつじぐさ)」トートバッグ
サイズ:タテ290ミリ×ヨコ(上390ミリ/下310ミリ)×マチ80ミリ
材 質:コットン100%
帆布バッグ全体

東山にある一澤信三郎帆布さんの工房にお邪魔し製作風景を見学させていただきました。
こちらの工房では職人さんが無駄のない動きで黙々と作業をされています。
カバンができるまでの工程は「裁断→プリント→ネームつけ→縫製・成型→完成」です。

裁断
今回弊社がお願いしたカバン生地は黒の帆布。布も紙と同じで天候により伸縮
するのでその分を考慮し裁断されるそうです。
しかもそれが数ミリ単位だそうで、長年培った職人の勘で裁断されているそうです。

生地
裁断された布にシルバーで「未草」をプリントし、ネームタグを取り付けました。
今回は信三郎帆布さんとのダブルネームです!帆布バッグネームタグ

縫製①
いよいよ縫製です。今回ミシンを担当してくださったのは、職人歴20年の廣瀬さん。
工業用ミシンは足踏みペダルで速度調整をします。廣瀬さん曰く車のアクセルを
踏み込むのと同じ感覚とのこと。あっという間に縫いあがっていきます。

ミシンが終わると次は成型へ。成型①
切り株の上で金槌を使って折り目を付ける作業です。硬い帆布をこうして叩くことで
縫いやすくなるそうです。

成型が終わると再びミシン担当へ。縫製②
そして一工程が終わるとまた成型担当へ。成型②

こうして工房では成型、ミシンと分業で作業をされています。その一連の動きには
無駄がなく、各々の熟練の技と見事なチームプレーで作業は進んでいきます。

はたから見ていて感動を覚える動きでした。
こうして一点一点手作業で製作されています。販売までしばらくお待ちください。
帆布バッグ内ポケット
帆布バッグ縫製アップ

廣瀬さん
今回ミシンを担当してくださった廣瀬さん。
帆布バッグ全体
帆布バッグ全体ウラ



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